EU規制当局、マイクロソフトのNuance買収を承認
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欧州委員会は12月21日、マイクロソフトによる米音声認識大手「Nuance Communications」の買収を承認。この買収に欧州域内で競争上の懸念がないと結論づけた。
注目される理由: 医療のデジタル化をめぐっては近年、アマゾンやグーグルなど大手テクノロジー企業が次々と参戦。同分野で多くの顧客を持つNuanceの買収はマイクロソフトにとって重要な打ち手となりうる。
マイクロソフトは今年4月、文字起こしソフトウェアなどを手掛けるNuanceを197億ドルで買収すると発表。同社にとっては2016年のLinkedIn買収に次ぐ過去2番目の大型買収として注目された。
Nuanceの業績は2020年に売上14.8億ドル(前年比2.8%減)、営業利益1.1億ドル(同5%増)。売上のうち9.15億ドルを占めるのがヘルスケア産業向けだ。
問題は各国で独占禁止に関わる法令に抵触しないかという点である。すでに米国とオーストラリアの規制当局は承認。欧州委員会には11月16日に通知された。
欧州委員会は文字起こしソフトウェア、クラウドサービス、エンタープライズ向け通信サービス、CRM、生産性ソフトウェア、PC向けOSなどの市場を調査。今回の買収がこれらの市場で競争を著しく阻害することはないと判断した。
12月13日には、英国の規制当局もこの買収の調査を実施することを発表。英当局は2022年1月10日までパブリックコメントを募集しており、買収完了は2021年中という当初の予定から遅れる見通しとなっている。