2021年12月21日 17:55
「睡眠を良くする」筑波大発ベンチャーが5億円調達
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筑波大学発のスリープテックベンチャーS’UIMINが、シリーズBで総額5億円の資金調達を発表。累計の調達額は約14億円になった。誰でも自宅などで、医療レベルの精度で睡眠を調べることができるサービスを提供する。

注目する理由: 筑波大のトップ研究者を擁する医療テックベンチャー。病院レベルの睡眠計測が自宅でできるIoTサービスを開発し、病院や企業などに提供するBtoBを展開している。日本人の5人に1人が睡眠に問題をかかえているとも言われる中、睡眠障害の解決・治療に貢献する。

筑波大「国際統合睡眠医科学研究機構」機構長の柳沢正史氏が会長を、理化学研究所発のバイオベンチャーのカイオム・バイオサイエンス創業者の藤原正明氏が社長を務める。2017年に創業し、2020年からサービスを提供している。

従来、患者の睡眠状態を詳しく調べるには、入院して頭や胸などに電極を装着し、脳波を計測する「ポリソムノグラフ検査」を行う必要があった。だが、S'UIMINが提供する「InSomnograf」を使えば、頭と首に電極を貼って眠るだけで、自宅で手軽に、入院検査と同等の計測が可能という。

病院の睡眠外来や健康診断への導入が進む。メーカーの睡眠関連商品のテスト、サッカーチームの健康管理で利用されるなど、幅広いビジネスを開拓中だ。

調達した資金は、健康診断や人間ドックにおけるオプションサービスの拡大や新規デバイスの開発に充てる。電極量産、ビッグデータビジネスに向けての基盤構築などにも振り向ける。