2021年12月17日 11:40
ポッドキャストの豪企業を買収
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米Spotifyは12月16日、ポッドキャストのテック企業である豪Whooshkaaの買収を発表した。ラジオ放送局が既存のコンテンツをポッドキャストのコンテンツに変換できる独自技術を取り込む。

注目される理由: ポッドキャストはインターネット上で音声配信できる仕組み。移動中や仕事中に「ながら聴き」できるコンテンツとして人気が高い。2021年にヒットしたクラブハウスなど音声SNSも含まれる。2020年の全米の広告収入は8億4200万ドル(約960億円)、今後も年二桁の伸びが続く見通し。

今回の買収額は明らかにしていない。Spotifyは2020年11月にもポッドキャスト広告会社の米Megaphoneを買収。さらに2021年3月には音声SNSアプリの米Betty Labsを買収した。

Whooshkaaの技術を使えば、ラジオ局などがポッドキャストでコンテンツを配信し、広告収入を得られるようになる。

Spotifyは音楽だけでなく、音声番組を自社で製作するなど総合的な音声プラットフォームになる戦略を進めている。ラジオ局などのメディアを配信者として多く集め、成長市場でのシェア拡大を急ぐ。

ポッドキャスト市場ではAmazonが2020年12月に米Wonderyを買収。動画市場ではGoogleのYouTubeが圧倒的な地位を確立、有料動画ではAmazonプライムやNetflixが強い。音声市場はまだシェア開拓の余地があり、各社の争奪戦が激しくなりそうだ。