2021年12月16日 08:52
自社株買い制限ガイドライン発言で日経平均下落
Shutterstock

岸田文雄首相は14日の国会答弁で、企業の自社株買いに関してガイドライン作成に言及した。株主還元を制限するとの思惑が広がり、日経平均株価は一時300円超下落した。

注目する理由: 10月に就任した岸田首相は、格差是正を掲げて金融所得課税の強化を打ち出した。株式市場が動揺したことを受けて先送りしたが、「検討課題」として含みを持たせている。首相の分配政策が株価にネガティブな影響を与える可能性が再認識された。

自社株買いは企業が利益を株主に還元する手段として広く実施されており、一般に株価を押し上げる効果がある。14日の衆院予算委員会で、立憲民主党の落合貴之議員が、企業が利益を設備投資などに回すべきとして、自社株買いの禁止を迫った。

岸田首相は「画一的に規制することは少し慎重に考えなければいけないのではないか」としつつ、代替案としてガイドラインの作成を例示。これを受けて、11月に1兆円の自社株買いを発表したソフトバンクグループなどが一時的に売られた。

岸田首相は一律の規制には否定的な見解を示しており、具体的に自社株買いの制限を検討しているわけではない。一方で「大変重要なポイント」と何らかの制限に肯定的と受け取れる発言もしている。今後も首相の市場に関する発言が相場の重石となることが想定される。