SDGsな修学旅行、JTBが発売
Shutterstock
JTBは2日、SDGsを学ぶ講座と、カーボンオフセットを取り入れた旅行商品のセット「CO2ゼロ旅行プログラム」を、中学・高校の修学旅行・校外学習向けに販売を開始した。初年度となる2022年度10万人の生徒の利用を目指す。
注目する理由: JTBは、SDGs教育ニーズを取り込むことで、修学旅行販売の回復につなげる。観光分野のCO2排出量は世界全体の1割を占める。観光業とSDGsを両立する商品設計も必要になりつつある。
コロナ禍で旅行のニーズが激減し、旅行業界は大きな痛手を負った。最大手JTBも例外ではなく、2021年3月期本決算の業績は、連結売上高が前年比71%減、純損失は1,051億円と、過去最大の赤字に陥った。
リストラや本社ビル売却などで財務を立て直しており、2021年上期は最終黒字に転換したが、営業損益は赤字のままだ。ビジネス再建に向け、商品やサービスの変革も推進。体験プログラムやワーケーションなどに力を入れる。
カーボンオフセット分野では、一般向けに「CO2ゼロ旅行」を2007年より販売。のべ1.7万人が参加した。修学旅行向けの新商品は、旅行代金にプラスアルファでグリーン電力を資金援助し、移動などで発生するCO2を「ゼロにする」という。
まずオリジナル教材を使った100分(2コマ)の授業を実施。地球温暖化の影響を学び、温暖化防止のため日々できることを考えてもらう。旅行のカーボンオフセット率は、予算に応じて10%から100%まで選べる。