保育園が「足りる」時代、保育事業者の成長戦略
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都内を中心に認可保育所などを運営するキッズスマイルが事業計画を開示。待機児童問題が落ち着く中、軸足を認可保育所から民間教育サービスに移すことで持続的成長を目論む。
重要な理由: 政府はここ数年、保育所等の増設を急ピッチで進めてきた。少子化はさらに加速しており、待機児童数は減少している。民間の保育所事業者は、認可園の次の事業の柱を探る必要に迫られている。
認可保育所66施設に加え、英語で保育する民間施設(プレスクール)を運営。2021年3月期の売上高はYoY25%増の91億円となった。新規開園の投資が先行しているため営業赤字だが、EBITDAベースでは黒字を確保している。
認可保育所のニーズが落ち着きつつある一方、子供1人あたりにかける教育費は増加傾向だ。同社は今後、プレスクールや幼児教室といった民間教育サービスに軸足をシフト。年齢層も小学校低学年まで広げ、0~9歳を対象にした「キッズガーデン教育圏」を広める考えだ。
“保育園競争時代”に突入する中、「保護者に選ばれる園」を目指し、英語やアート、スポーツなどのプログラム提供に力点を置く。フラグシップ施設として南青山に今年10月、トップアスリートによる体操・水泳指導が受けられる25mプール付きプレップスクールを開設した。
同園は70時間の利用で99,800円(平日限定、会費含まず)からという価格設定で、保育所にしては高価格帯だ。今後は受験教室などプログラム単体を提供する事業も行い、全国展開、世界展開も視野に入れる。