2020年11月27日 06:44
イギリス政府、1,000億ポンドを公共投資へ
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英国政府は新型コロナ危機からの復興に向け、公共投資に1,000億ポンド(≒14兆円)を費やすことを発表した

リシ・スナック財務大臣によると、計画は「40年以上で最高の持続的レベルの公共投資」。同日、今年4,000億ポンド近くを政府として借り入れる方針を示した。

英国にとって2020年は直近300年で最悪の景気後退である。前回は1709年の「大寒波(The Great Frost)」。文字通りヨーロッパで大寒波が発生したもので、運河などが氷結したことで貿易ができず、大不況になった。

経済的な「緊急事態」

1,000億ポンドがどの期間に投じられるかというと、来年の1年間である。そして、次の4年間でインフラに投資する金額は6,000億ポンドにのぼるとスナック氏は説明した。

公共投資は、不況時に雇用を生み出すための直接的な方法の一つだ。それによって道も整備することができる。対象には鉄道やブロードバンドケーブルも含まれる。

英国は2050年までに国家全体として「ゼロカーボン」、すなわち二酸化炭素の純排出量をゼロにすることを目指す。公共投資はグリーン・インフラの構築にも使われることとなる。

日本、中でもデジタル産業に従事する人には実感が沸きづらいが、産業革命以降で前代未聞の経済危機にイギリスは直面しているわけだ

そしてご承知の通り、世界経済はつながっている。日本で働いている人にとっても、決して無関係な話ではない。