2021年12月01日 17:20
Giphyを売却すべき理由
Shutterstock

Meta(旧Facebook)に対し、英国の規制当局が「Giphy」の売却を求めている。英国におけるディスプレイ広告の供給に競争上の懸念が生じかねないというのがその理由だ。

重要な理由: Facebookへの風当たりが強まっているのは今に始まった事ではない。Giphy売却の要請は、英国当局による具体的な打ち手である。

Giphyは2013年、アレックス・チャンとジェイス・クックにより創業。インターネット上のGIF画像を検索できるサービスとして人気を集めた。

GIFは画像でありながらアニメーションを表現できる。Web上で気軽に使えるのが特徴で、Facebookメッセンジャーをはじめ様々な場面で使われている。特にインターネットミームとの相性が良い。

買収時のリリースによると、Giphyへのアクセスのうち50%はFacebookファミリーから来ていた。さらにその半分はInstagramだったという。ストーリーやメッセージ機能の利便性を高めることを買収の狙いとした。

英CMAが問題視したのは、Metaが他プラットフォームからのアクセスを制限しうるという点だ。TikTokやTwitter、SnapchatがGiphyを使うためにユーザーの個人情報を要求する可能性がある。

買収される前、Giphyは革新的な広告サービスをローンチしていたとも指摘。ダンキンドーナツやペプシがGiphyを通じてGIF画像を公開し、プロモーションにつなげるという事業だ。Facebookは買収後、同広告サービスを廃止した。