モダンな銀行システムを作れるサービス
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クラウドネイティブな銀行構築を支援する「Thought Machine」が11月29日、新たに2億ドルの調達を発表。評価額は10億ドルを超え、ユニコーン企業の仲間入りを果たした。
注目する理由: 「DX」が重視されるにつれ、その支援を行うベンチャー企業の評価が高まっている。Googleのエンジニアだったポール・テイラーが2014年に創業した同社も、そんな会社の一つだ。
従来の金融システムはメインフレームによるモノリシックなアプローチを採用しているが、得るものは少ないと同社は言う。そこで提供するのが、現代的でクラウドネイティブな銀行向けテクノロジーである。
フラグシップ製品『Vault』はマイクロサービス型のアーキテクチャが特徴。どんな銀行であっても利用できるように設計されているという。直近では、リテールや中小銀行向けの銀行業務に特に注力する。
セキュリティや拡張性、費用面などあらゆる面に配慮し、単なる「銀行アプリ」ではなく銀行システム全体をゼロから構築できるとする。既存システムの入れ替えから新製品、全く新しい銀行の立ち上げにも使え、実績として英国のデジタル銀行「Atom bank」を挙げる。
今回のシリーズC調達ラウンドはニューヨークに本拠をおく「Nyca Partners」がリード投資家を務めた。顧客でもあるJPモルガンチェースやスタンダードチャータード銀行といった金融機関の投資部門も名を連ねる。