Salesforce、Slack買収に向け協議中
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昨日ウォールストリート・ジャーナルが報じたところによると、クラウドサービス大手のセールスフォースが「Slack」の買収に向けて協議中だという。
Slackはスタートアップなどに絶大な人気を誇るビジネスチャットアプリ。近年は大企業向けの拡販に注力しているが、マイクロソフト『Teams』が強力なライバルとなり、市場からの評価が低迷していた。
買収が成立すれば、セールスフォースにとっても最大の買収となる。報道を受けてSlackの時価総額は230億ドル規模に高騰。
交渉は進展しているというが、実際に合意に達するかはまだ分からない。
マイクロソフトと直接対決へ?
セールスフォースはクラウド時代を代表するIT企業であり、SaaSのパイオニアとして類を見ない成長を続けてきた。
近年はM&Aにも積極的で、2019年にはデータ視覚化SaaSのタブローを買収。金額は153億ドルで、取引はすべて株式によって行われた。
SaaS同士の買収は、そもそも実現性が高い。両者とも多くの企業が必要としうる汎用的なツールであり、互いの顧客にクロスセルするといった協業は自然である。
一方、クラウドソフトウェアの圧倒的トップに君臨するのがマイクロソフトだ。セールスフォースが大きくなるほど、直接対決に至るのは時間の問題とも言える。
Slackの買収が実現すれば、両者は本格的な競争関係へと突入する。過去にはLinkedInの買収でマイクロソフトが競り勝ったという因縁もある。