2021年11月29日 17:59
米包装メーカーに忍び寄るアクティビスト
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米包装メーカーのベリー・グローバルが物言う株主「アンコラ」から身売りを検討するよう求められているとWSJが報じた。直近では大幅増収を実現している企業だ。

注目する点: アクティビストによる要求は2020年初めにもあった。ベリーの時価総額は90億ドルほどで、株価は66ドル。アンコラによると、一株100ドルで売れるという。

ベリー・グローバルは1967年創業。ファーストフードチェーン「Wendy's」などを顧客とし、ボトルやコンテナ、テープなど幅広いパッケージ製品を扱う。

Berry Global 業績推移

2021年9月期の売上高は138億ドル、営業利益は12.9億ドルと増収増益を続ける。売上の30%は海外向けの消費者向けパッケージ、23%が同じく北米向けだ。23%がヘルスケア関連、24%が工業素材となっている。

プラスチック製品を扱うため環境負荷が懸念だが、自身は「サステナビリティのリーダー」を自称。2030年までに「消費者向け製品の30%をリサイクル素材」にするといった目標を掲げる。

調整後EBITDAは年に22億ドルを稼ぎ、ネットデット(純有利子負債)はその3.8倍。2020年9月時点(4.3倍)から改善し、レバレッジ削減目標を達成したとアピールする

ベリー社は2020年2月にも「Canyon Capital」からノンコア事業の売却を迫られたことがあった。今回、アンコラは自社株買いを10億ドルに増やすこと、不動産のリースバック売却なども要求している。