世界展開に伴う痛みと、今後の成長
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米テクノロジー企業のUberは、2021年の取扱高900億ドル前後を見込んでいる。2020年の579億ドルに比べ、55%も大きな値だ。チャイCFOは「真の注力点は長期的な成長だ」と言う。
注目する理由: Uberは2021年7〜9月期、調整後EBITDAで800万ドルの黒字化を達成した。収益面で目標としていたマイルストーンを達成し、トップラインの拡大に向けて改めて力を入れることになる。
現CFOのネルソン・チャイ氏は2018年にUberに入社。その翌年に新規上場を果たし、調整後EBITDA黒字化に向けて尽力してきた。2020年のコロナ禍は、チャイ氏にとって青天の霹靂だったに違いない。
競合Lyftと並んで大幅なコスト削減を進め、メンバーのレイオフなど痛みも伴った。いくつもの資産を売却し、長期施策として進めていた自動運転部門の売却も余儀なくされている。
米国で覇権を握るDoorDashとは異なりグローバル展開にも積極的だったが、マーケットでの優位が危うい地域では撤退も進めた。9月末時点の従業員数は24,700人と、前年の21,600人と比べ14%増と抑制。
収益性向上の鍵とするのは、一人の消費者向けに配車、フードデリバリーをはじめとする複数サービスを販売する戦略だ。顧客獲得コストを抑えつつ、顧客単価拡大を目論む。今後数年は、その真の効果が問われる段階となりそうだ。