急拡大するIoTデータプラットフォーム
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IoTデータプラットフォームを手掛ける米Samsaraが近くニューヨーク市場への新規上場を果たす。ARR4.9億ドル(前年比68%増)と、猛烈な成長を続けている企業だ。
重要な理由: 小売や広告業界はこの20年で大きくIT化した。一方、まだデジタル化の余地が大きいのが「物理資産」を有する産業だ。Samsaraは、IoTデータ活用という切り口で巨大な産業に切り込む。
設立は2015年。共同創業者で今もCEOを務めるサンジット・ビスワス氏はクラウド型IT管理「メラキ」を起業、シスコに12億ドルで売却した経歴を持つ。
安全性、効率性、サステナビリティを向上する「Connected Operations Cloud」を標榜。物理的なオペレーションをもつ事業者が、IoTデータの活用により業務効率を改善することを手助けする。
運送(ARRの23%)、卸売・小売(17%)、建設(13%)、物流(9%)などが対象。二つの車載ソリューション(Video-based Safety、Vehicle Telematics)がそれぞれARR2億ドル超を占める。
顧客はスモールビジネスから世界的企業、地方政府まで多岐に渡る。2021年10月末時点のコア顧客(ARR5,000ドル超)は1.3万社を超え、ARR10万ドル超の大口顧客は715社(前年比83%増)にのぼる。
対象産業はグローバルGDP(2020年)の40%超に相当するという。事業機会(TAM)は2021年末に546億ドル、2024年には969億ドル規模への拡大を見込む。