現実世界のためのメタバース
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米ナイアンテックが22日、米投資ファンドCoatueから3億ドルを調達したと発表。評価額は90億ドルにのぼった。資金は既存ゲームタイトルや新作アプリに加え、「Lightship」プラットフォームの拡充にあてる。
重要な理由: ナイアンテックは大ヒットしたARゲーム『ポケモンGO』開発元として知られる。全くの仮想世界構築を目論む他社とは異なり、現実世界と紐づいたメタバース構築を掲げる。
創業者のジョン・ハンケは連続起業家。Googleによる買収後、マップやGoogle Earthなど位置情報を扱うチームを統括した。その後、社内起業という形で創業したのがナイアンテックだ。
2015年にポケモンや任天堂との出資を受けて独立。翌年にスタートしたのが『ポケモンGO』だった。その後の大ブームは多くの方が知る通りだ。
ザッカーバーグの発言をきっかけに、「メタバース」という言葉はにわかに衆目を集めた。2000年前後から「地球」の3Dモデル(Google Earthの原型)を作っていたハンケがこの機を逃すはずはない。
ナイアンテックは今月、世界初であり唯一のスケールしたARプラットフォーム「Lightship」をリリース。『ポケモンGO』実現を支えた技術が、外部の開発者も利用できるようになる。
Coetueのマット・マッツェオは「彼らが作るインフラは現実世界のためのメタバースの礎となる」とコメント。インターネットの「次の進化」を支える重要な存在であると示唆した。