『アバター』生んだツールがクリエイターの手に
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3D開発エンジンを提供するUnityが大きな動きを見せた。11月9日に7〜9月期決算とあわせ、「Weta Digital」を16.25億ドルで買収すると発表。同社の視覚エフェクト(VFX)ツールを取り込む。
何がそんなにすごい? — Weta Digitalの技術は『アバター』『ロードオブザリング』『猿の惑星』『ゲームオブスローンズ』など名だたる映像作品を支えてきた。Unityによる買収で、何百万人という次世代クリエイターがその技術を活用できることになる。
Weta Digitalは1993年、ニュージーランドにて創業。共創創業者のピーター・ジャクソンは『ロードオブザリング』シリーズの監督として知られる。
Weta Digitalには275名のエンジニアがおり、数多くの特化型ツールを開発。自社の製作パイプラインに連携させている。言わば、世界的なヒット作を生み出すオリジナルの開発プラットフォームだ。
映画『ホビット』に使われたレンダラー「Manuka」や、現実世界の樹木の育ち方をもとにした「Lumberjack」など。こうしたツール群が、Unityのクリエイトソリューションを通じて全世界に提供される見込みだ。
Unityの株価は五日間で27%近くも上昇。時価総額は562億ドルとなった。7〜9月の売上高は2.86億ドル(前年比43%増)と予想を上回り、通期売上予想を10.8〜10.85億ドル(同40%増)に引き上げた。