2021年11月10日 14:52
巡航速度での安定成長局面へ
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ワークマンは8日、2021年4~9月期決算を発表。チェーン全店売上高は737億5600万円(前年比8.0%増)、営業利益は126億円400万円(前年比13.8%増)で着地。チェーン全店売上高は計画値比98.6%と計画未達だった。

重要な理由: 2018年に開始したワークマンプラスの影響が薄まり、売上増加傾向は鈍化。小濱英之社長は「巡航速度になった」と強調。本来の強みである商品力や生産管理能力が成長持続の源泉となりつつある。

ワークマン

9月下旬の気温上昇の影響で売上が伸び悩んだことが計画値未達の要因。新業態効果が薄まったことで、「気候変化が業績に顕著に影響するようになった」と取締役の飯塚幸孝氏は説明する。

小濱社長は「ワークマンプラスを展開してから売上が急速に上昇し、ひずみが出ている部分がある」という。その一つが新商品の販売数増による販売機会ロスだ。解消策として、新商品の販売予測システムを内製化。AIとLINE WORKSによる「SV定性データ」を組み合わせ、販売計画を策定する。

需要予測発注システムの多店舗検証を10月に開始。全店のシステム移行は12月末を予定する。導入後の目標値は、1店舗当たり①売上高2%増、②在庫金額±100万円、③欠品率0.1%~0.2%減だという。

足元で小濱氏が「大変なことになっている」と懸念したのは、原材料費の高騰やコンテナ不足によってかかる追加費用だ。ただし、純利益ベースで11期連続の過去最高益達成を予定する2022年3月期計画値は変更しなかった。