2021年11月08日 17:49
「実質、大赤字」からの自社株買い1兆円
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ソフトバンクグループが11月8日、2021年4〜9月期決算を発表。孫正義氏が決算説明会の壇上にのぼった。当期純利益は3,636億円と、前年同期から80%以上の急減となった。

今回のハイライト: 孫氏は「赤字じゃないからいいじゃないか、と慰めたいところではあるが」と前置きしつつ「実質、大赤字」と続けた。同氏が重視するNAV(時価純資産)が前四半期から6.1兆円減り、20.9兆円となったためだ。

要因として最大なのはアリババ株だ。6月末以来、アリババグループの株価は30%近く下落した。NAVに占める割合は28%まで減少。一方、ビジョンファンド等の構成比は44%に拡大している。

ビジョンファンド等の投資損益も5.9兆円と、三か月前と比べ1兆円ほど減少。投資先時価は米国が35%を占め、中国が19%。領域別ではコンシューマサービス(EC等)が26%、ロジスティクスが17%、モビリティが17%と大きい。

コンシューマサービスには韓国のクーパン、ロジスティクスには米DoorDashが含まれる。フィンテックも10%を占め、孫氏も「存在感を増している」と言及した。

ビジョンファンド2号の投資先は213社に拡大。1号の投資額が一社当たり1,055億円を平均としたのに対し、2号では215億円となった。平均持株比率は22%→15%となっている。

現在の株価は「ディスカウントされている」とも主張。そこで発表したのが自社株買いだ。来年11月8日までの一年で最大1兆円を取得する。投資機会次第では、1兆円に達しない可能性もあるとした。