セガサミーHDの里見治紀社長は8日、2021年7~9月期決算説明会に登壇。1日に発表したMicrosoft(MS)との戦略的提携の検討を進める合意について「もっともっと深いレベルで」グローバルで展開できるゲーム作りを手伝っていただくと話した。
重要な理由: コンシューマゲームで日本の代表格であるセガが、MSと提携の議論を始めた。メタバースのプラットフォームを生み出すべく、大物が動き始めている。
戦略的提携の中身:「Super Game」と称する大型グローバルタイトルの創出に向け、Microsoft Asureを活用したタイトル開発、MSのソリューションの次世代開発環境に活用することが主軸。
セガは今年5月、新・中期計画で2026年3月期までのSuper Game創出に言及。グローバル・オンライン・メディア化・IP活用により、ライフタイム1,000億円の売上を目指す。
両社の付き合いは長い。セガはかつてハード機「ドリームキャスト」を販売。そのとき「Windows CE」を提供していたのがMSだ。2001年1月にドリームキャスト撤退表明。同年11月、MSは「Xbox」を米国市場に投入した。
最近では、セガのタイトル『ファンタシースターオンライン2』のグローバル展開でAsureを採用。5月のSuper Game発表にはMS側が共感、1日の発表につながった。
世界のゲームコンテンツ市場は成長し続け、2020年には20兆円を超えた。市場をけん引するのがオンライン市場。北米ではPCゲームが成長する。MSにとってもコンテンツ開発ができるセガと組む利点はある。
ゲームはメタバースの覇者となる可能性を秘める。「Fortnite」内でライブイベントが開かれるようになるなど、集客力のあるゲームは既に日常のコミュニケーションツールの一つだ。運営するEpic Gamesは4月、メタバース構築に向けて10億ドルを調達している。