2021年11月01日 20:05
利益の再投資を強化へ
Shutterstock

マネックスグループが10月29日、2021年4〜9月期決算を発表。営業収益は491億円(前年比68%増)、税引前利益は183億円(同340%増)と大幅な増益だった。

注目する理由: 上期の連結EBITDAは203億円(前年比2.4倍)。そのうち139億円を占めるのが「コインチェック」を擁するクリプトアセット事業だ。

決算説明の冒頭で、松本大会長は「世の中の価値観や、色々なものが中央集権型から分散型に向かっている」と言及。「DeFiなどがそのいい例だ」と述べた。

子会社についても自主独立性を伸ばしつつ、マネックスグループがヴィジョンを打ち出し、株主価値を創造していくと表明。象徴的な事例とするのが米トレードステーションとコインチェックの二つだ。

マネックスG クリプトアセット事業

コインチェックは暗号資産取引を基盤とし、NFTやIEOといった新事業を拡大。「デジタル経済圏」を創造するのが成長戦略だという。強みは収益性の高さで、今年度上期の営業利益率は67%にのぼる。

本人確認済み口座数は143万件(前年比44%)で、国内シェアは28%。国内暗号資産口座数は約500万件で、オンライン証券の約1,800万口座と比べても伸び代が大きいとする。

直近では株主還元方針の変更を決議。従来マネックスグループは、当期利益に対して配当と自社株買いで80%前後の還元をしてきた。

しかし今後は、利益の再投資を重視する。買収や事業投資で収益を拡大したことを海外の株主などを中心に評価されてきたのが背景だ。