「持ち物リスト」で一次流通と融合
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メルカリが29日、2021年7〜9月期決算を発表。売上高は336億円(前年比52%増)、営業利益は8.5億円(同133%増)だった。会計方針の影響もあるが、引き続き売上は拡大トレンドだ。
重要な理由: 基盤となるメルカリJP事業に加え、US事業やメルペイも進捗。メルコインやソウゾウなど、新たな事業にも積極的な投資を続ける。
大きな売上増は、主にメルカリUSの収益認識の変更によるもの。影響額は47億円ほどで、それを除くと288億円(前年比30%増)の売上だった。
メルカリJPはGMVが2,034億円(前年比19%増)、MAU1,984万人(同13%増)。前年の巣ごもり需要で成長ハードルが上がる中、拡大を持続。9月のMAUは2,000万人を超えた。
新規ユーザのリテンションを高めるため、クロスユース施策(出品、購入、メルペイ決済)を実施。今後は既存ユーザにもクロスユースを推進、ARPU向上を進めていく。
マルイのECサイトで購入するとメルカリの「持ち物リスト」に加わるなど、一次流通との融合も進める。将来メルカリで出品するのが簡単になるという狙いで、連携先は累計14社にのぼる。
物流サービス事業「メルロジ」も今後展開。日本全体の年間宅配便個数50億個のうち5〜10%、コンビニ発送の約80%をメルカリが占める中、郵便局やコンビニのオペレーション負荷低減施策を本格化する。
メルカリUSはGMV2.7億ドル(前年比6%減)、MAUは483万人(同18%増)。前年の急増を考えれば想定内であるとし、一人当たりの購入頻度がコロナ前の水準に正常化したという。