2021年10月22日 15:46
起死回生のコーポレートカード事業
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経費精算の効率化ソリューションを手がける「Expensify」が近くNASDAQに上場する。2021年4〜6月期の売上高は3,530万ドル(前年比88%増)。COVID-19で一時落ち込んだが、再び加速している。

重要な理由: あらゆる企業に経費はあるが、モダンな経費管理ツールを使っているのは0.1%に満たない。Expensifyは、米国だけでも160億ドルもの市場機会を見込む。

Expensifyは2008年創業。創業者デビット・バレット(David Barrett)は以前P2Pファイル共有の「Red Swoosh」で開発マネジャーを担当、同社はAkamaiに買収された。

経費管理やビジネスカード、請求書払いといったお金に関わるソリューションを中小事業者向けに提供。サービスは無料で使い始めることができ、契約ID数ごとに応じた定期課金を中心に収益化する。

Expensify 売上高

PLG(Product Led Growth)型の成長戦略を志向。2021年6月時点で売上の60%は従業員がまず使い、上司に提案することで獲得した顧客が占めている。

会員数は1,000万人を超え、有料会員数は63.9万人(53,000社)。シート数のネットリテンションは2019年には119%にのぼった。2020年はコロナ影響で98%に落ち込んだ。

以前は出張(Business travel)が大きな割合を占めていたため、パンデミックで大きな逆風に直面。有料会員は74.2万人から落ち込み、完全には戻っていない。

起死回生をもたらしたのが2020年初めに開始したコーポレートカード「Expensify Card」だ。経費ポリシーを定めた上で従業員にカードを配れる。顧客単価の向上に寄与し、売上成長の加速につながった。