2021年10月24日 09:53
世界でも稀に見るビジネス
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半導体装置メーカー「ASML」が10月20日、2021年7〜9月期決算を発表。売上高は52億ユーロ(前年比32%増)、営業利益19億ユーロ(同58%増)と高収益を維持した。

重要な理由: 世界を下支えする半導体産業を、さらに下支えするの半導体製造装置メーカーだ。その一つであるASMLは、次世代において極めて重要とされる「EUV露光装置」の開発を独占している。

機器販売売上(Net system sales)は41億ユーロで、そのうち22億ユーロがEUVシステムによるもの。販売台数は15台なので、一台あたりの平均は約190億円ということになる。

ASML 売上

グロスマージンは51.7%と高い水準にあり、研究開発費と販売管理費は売上のそれぞれ11.6%、3.5%を占めた。高い営業レバレッジを実現できるのも、「EUV」領域を独占しているおかげだ。

販売対象となる企業は限られている。ASMLはサムスン、インテル、TSMCの三社を「キーカスタマー」と呼び、2012年よりEUVを増産する共同投資プログラムを結んでいる。

CEOのピーター・ウェニンク(Peter Wennink)氏は「売上と収益性の両面で記録的な四半期だった」とコメント。あらゆる市場セグメントで需要が大きく、受注残は総額196億ユーロにのぼる。そのうち116億ユーロがEUVによるものだ。