2021年10月23日 17:41
プラットフォームからの逆風
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Shutterstock

Snapは21日、2021年7〜9月期決算を発表。売上高は10.7億ドル(前年比57%増)となり、市場予想には届かず。株価は1日で25%以上も急落した。

重要な理由: 運営する「Snapchat」は米国若手層を中心に人気のSNS。iOSのルール変更による広告事業への逆風が顕在化し、SnapだけでなくFacebookやTwitterの株価も大きく下げている。

DAU(1日のアクティブユーザー数)は3億600万人(前年比23%増)に拡大。ARPU(ユーザーあたりの売上)は3.49ドル(同28%増)と、一見したところでは堅調に見える。

Snap 売上構成

CEOのエヴァン・スピーゲルは、iOSのルール変更が6〜7月にかけ、広告ターゲティングに大きな逆風をもたらしたとコメント。Appleが新たに提供した計測ツールも期待通りには機能しなかったようだ。

プライバシー強化は避けられない潮流だ。スピーゲル自身がさらに認めているように、今後はファーストパーティのデータを活用し広告主のROIをどれだけ向上できるかが重要なポイントとなる。

足元で起こっているサプライチェーンひっ迫や人材不足も影を落としている。十分な商品・サービスを提供できないとなれば、広告支出にブレーキをかけるのは当然だ。

短期的な見通しを予測するのは難しいとしながらも、ユーザー数の拡大とプロダクトの改善に引き続き注力する構え。中でもAR(拡張現実)はすでに何億人というユーザーが利用し、広告商品との連携も進んでいる。