マネーフォワードが15日、2021年11月期3Q決算を発表。累計売上高は113億円(前年比42%増)、営業利益は4億円の赤字だった。SaaS ARRは100億円を突破している。
重要な理由: 今、国内市場における評価が最も高いSaaS企業の一つがマネーフォワードだ。株価は9月のピークからは下落しているが、時価総額は3,800億円を超える。
法人向けクラウドサービスから個人向け家計簿アプリまで幅広く展開。6〜8月はBusiness、Home、Xドメインで前年比+40%以上の売上増を実現、SaaS ARRは102.5億円(前年比33%増)にのぼった。
Businessドメインでは法人向けARRが67.5億円(前年比+37%)に拡大。課金顧客数は17.5万件にのぼり、うち8.3万件が法人となっている(残りは個人事業主)。
新たな取り組みとして、「マネーフォワード ビジネスカード」の提供を開始。与信審査不要で、一取引当たり最大5000万円の高額決済なプリペイドカードを提供する。冬には後払い機能の正式リリースも計画する。
家計簿アプリ『マネーフォワード ME』はプレミアム課金数が35万人を超えた。ライフネット生命やツクルバなど、多様なパートナーとの協業も進める。提供領域の広がりにより、TAMは8,000億円以上に拡大したという。
パートナー企業と連携してサービス提供するXドメインは売上3.7億円(前年比52%増)。NTTファイナンスのエンディング(終活)ノートアプリ『楽クラライフノート』の開発に参画し、設計や開発をサポートした。
8月に実施した海外公募増資では315億円を調達。セールス&マーケティングと製品開発、戦略的M&Aを主な投資領域に掲げる。解約率の低いSaaSには安定したキャッシュフローという基盤がある。調達した資金を使い、サブスクリプション収益をさらに拡大する戦略である。