2021年10月13日 18:11
日本でも盛り上がる「成長企業向け」法人カード
Jabetfavu9l845364g1jqw
Shutterstock

法人カード提供の「UPSIDER」は12日、シリーズBで約38億円の調達を発表。三菱UFJ銀行からの追加融資枠も確保した。2020年9月からの1年で、決済額は1,500%成長したという。

重要な理由: 従来の法人カードは利用限度額が限られがちだが、昨今の調達環境では潤沢な資金を持つベンチャー企業も多い。そこに商機を見出すのが成長企業向け法人カードだ。

上場のための法人カード」として、シードから上場企業まで成長企業を対象とする。マッキンゼー出身の宮城徹CEOとユーザベース初期社員の水野智規COOが2018年に設立した。

限度額1億円以上の法人カードを最短即日で発行。初期費用や年会費も無料で、Sansanやヤプリなど著名ベンチャーが利用。freeeとマネーフォワードとのAPI連携にも対応、会計業務の自動化にも役立つ。

同分野で世界最大手のBrexは、評価額74億ドルにのぼるユニコーン企業。今回名を連ねたGreenoaks CapitalはBrexやStripe、Robinhoodの投資家でもある。

海外では成長企業向け法人カードの競争が激化しており、2020年10月にはアメックスがスタートアップ向けのカードプログラムを用意。Brexに続いてRampも、瞬く間にユニコーン企業になっている。

日本でもfreeeが6月、ビジネスカードの提供開始を発表。マネーフォワードも追随するなど盛り上がっている領域だ。

リード投資家に加わったWiLの久保田雅也氏は「UPSIDERの本質は単なる決済サービスではなく、顧客の財務・業務課題をテクノロジーを用いて解決する『金融SaaS』」とコメント。UPSIDERは調達資金を採用や機能開発、マーケティングにあて、2023年までに月間数百億円規模の決済額にすることを目指す。