2021年10月12日 20:46
大阪王将を支える「冷凍餃子」
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大阪王将ブランドを手がけるイートアンドHDが12日、2021年3~8月期決算を発表。売上高は前年比9.1%増の148億円、営業利益は前年の3900万円から約10倍の3.7億円と大幅に復調した。

重要な理由: 外食産業はコロナ禍で引き続き苦戦している。その一方でイートアンドは冷凍食品を中心とした食品事業を持っており、外食事業の赤字縮小とともに大幅増益を実現した。

イートアンドは生産事業を中心に、食品事業、外食事業の両輪ですべての食シーンをカバーする「フルライン型フードメーカー」を標榜。原点は1977年に大阪で創業した「大阪王将1号店」にある。

1993年には冷凍食品の販売を開始。2014年に発売した油も水も不要の「大阪王将羽根つき餃子」はヒット商品となり、2019年の売り上げは100億円を超えた。

上期セグメント損益は、食品事業が5.9億円の黒字、外食事業が5,000万円の赤字だ。一方、外食事業しか持たない同業他社の「ハイデイ日高」は、売上・営業利益ともに状況が悪化。食品事業の差が業績を左右した。

いわば「冷凍食品」が支えるイートアンドは、1月に最新鋭設備を導入した関東第二工場が本格稼働、生産性向上や原価低減が進んだ。今年9月には「大阪王将」が上海に出店。他社が体力を消耗する中、イートアンドは攻めの姿勢で挑む。