2021年10月11日 17:59
綿価格が2011年以来の高騰
Shutterstock

綿(Cotton)価格が高騰している。直近では1ポンドあたり1.1ドル前後と、2011年以来では最高となる水準だ。前回の高騰時とは異なり、リーバイスCEOは自らに価格決定力があると自信を見せている。

重要な理由: 言うまでもなく、綿産業はアパレル業界と関係が深い。価格が高騰すれば綿製品の収益性は圧迫され、Tシャツからジーンズまで幅広い企業への影響が懸念される。

FAOによると、綿の生産高は2019年に460億ドルにのぼった。75か国で1.5億人が従事しており、生産高の23%を中国、21%をインド、16%を米国が占める。

2011年には綿価格が1ポンドあたり2ドルを超えたこともある。背景にあったのが、金融危機からの回復と中国での需要増、主要な生産国であるインドが輸出を制限したといった事情だ。

リーバイスのチップ・バーグCEOは前回決算で「2011年には祈りの会議(prayer meeting)が必要だった」と振り返る。当時、バーグ氏はリーバイスに入社したばかりで、売上の48%は米国向けの卸売だった。

20%に過ぎなかった消費者向けの直販も、今では36%に拡大。海外比率も高まった。価格交渉力も強まり、すでに2022年前半の分までの製品コストについて、極めて低いインフレ率で抑えられたという。

その一方で影響が大きくなりそうな企業もある。例えば、コットンTシャツで人気の「Hanesbrands」。売上の62%はインナーウェアだ。株価はこの1か月で15%も下落している。