2021年10月08日 21:08
VRデジタル治療薬
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Shutterstock

VRデジタル治療のBiPSEEは7日、プレシリーズAで2.5億円を調達した。BiPSEEはうつ病患者向けのVRデジタル治療薬を開発している。この調達で、プロタクト開発や臨床試験に注力する。

重要な理由: 医療分野におけるVR/AR利用は世界的に進む。市場規模は2026年には7億2390万ドルに達する見込み。日本でも、国立精神・神経医療研究センターがVRセラピーを開始するなど、新たな成長市場となってきた。

BiPSEEは2017年創業。精神疾患治療向けの「VRデジタル治療薬」を手がけるMedTechスタートアップだ。松村雅代CEOは心療内科医で、メンタル不調の治療の新たな選択肢として開発を進めている。

VRデジタル治療薬は医療機器プログラムの一種だ。

うつ病には、ネガティブな感情や事柄を繰り返し考える「反すう」という症状がある。VR空間での没入やインタラクションで、反すうを抑制するのに必要な自己肯定感を醸成するという。

今回の調達にリード投資家として参加したのはBeyond Next Ventures。ANRIやScrum Venturesもラウンドに加わった。BiPSEEは高知大学医学部との共同研究で臨床試験を進めている。

心の病を持つ患者は年々増えている。 OECDの調査によると、日本では2013年には7.9%だった有病率推定値が、新型コロナの流行が深刻化した2020年3-4月には17.3%に上昇した。こうした背景から、精神医療におけるVRの活用に期待が集まる。