2021年10月21日 11:35
テスラを超える戦略
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米ゼネラルモーターズ(GM)は10月6日、投資家向けのイベントを開催。2030年までに売上を倍増させ、利益率(EBITマージン)を12〜14%に引き上げるという野心的な計画について話した。

重要な理由: 米国最大の自動車メーカーであるGMが売上を倍増させるというのは尋常なことではない。荒唐無稽にも思えるビジョンを大手企業が打ち出したのは注目に値する。

成長の源泉として期待するのは、ソフトウェアを中心とする新規事業、それからEV(電気自動車)だ。前者はリカーリング型収益が中心で年平均50%、後者は4〜50%のペースで拡大するという。

収益性が向上する理由に掲げたのが、EV事業のスケールメリットとバッテリーコストの低下(60%削減)。利益率20%以上の新規事業の成長がもう一つの要因だ。

2030年にEV販売による売上高は900億ドルにのぼり、2025年時点でも年に100万台以上を販売すると豪語した。EVおよび自動運転技術には350億ドルの投資を計画している。

ソフトウェア事業の土台となるのが、2030年までに米国で3,000万台にのぼるというコネクテッド車。2023年から生産される次世代車に搭載予定のソフトウェアプラットフォーム「Ultifi」により、年200〜250億ドルの売上機会を見込む。

新事業では、運転支援システム「Cruise」で年500億ドルのポテンシャルがあると主張。保険事業「OnStar」で60億ドル超、軍事部門「Defense」で10億ドルの売上機会をアピールしている。

GMの2020年の売上高は1,225億ドル、調整後EBITは97.1億ドル(売上比7.9%)だった。2030年の売上目標は2,800億ドルにのぼる。