2021年10月07日 06:39
解決待たれる債務上限問題
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US Department of the Treasury

米国政府が債務上限問題の解決に手こずっている。2021年8月時点での債務残高は28.4兆ドル。10月18日までに上限が引き上げられなければ、甚大な影響が想定されている。

重要な理由: 米国では金融危機後、債務が大きく膨れ上がった。財政健全化を求める議会の声も多く、債務上限の終わりなき引き上げが政治問題となってきた。

債務上限とは文字通り、連邦政府が借りられる債務残高の枠。法定上限に達すると、議会の承認を得て引き上げなくてはならない。それが実現しなければ国債の新規発行ができず、デフォルト(債務不履行)を免れない。

同様の問題はこれまで何度もあった。2011年には期日とされた8月2日ギリギリに法案が可決した。2013年には政府機関の一部が閉鎖するという事態にも陥っている。

バイデン大統領は4日、協力を拒む共和党を「無謀だ」と批判。共和党側の上院トップ、マコネル氏は「民主党単独で上限を引き上げればいい」と主張してきた。

マコネル氏は6日、11月末までの債務上限引き上げで合意する案を明らかにした。実現すれば一旦デフォルトリスクが遠のくが、年末には再び同様の問題に直面しなくてはならない。

民主党上院トップのシューマー氏が「(単独での引き上げには)時間がかかる」としてきたのに対応した形だ。共和党は依然として上限引き上げには賛同せず、財務調整措置によって民主党単独での対応を迫る方針だ。