ソーシャルメディアの限界
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ユーザー保護を怠ったとして、Facebookの元プロダクトマネージャーが内部資料をリークした問題。Instagram等が若者に負の影響を与えていると知りながら、収益性を優先したと訴えている。
重要な理由: Facebook傘下のサービスは今や月に35億人が利用、世界人口の半分近くに影響を及ぼす存在だ。ユーザーを惹きつける原動力となったのが、サービスに仕掛けられた「中毒性」である。
中でも影響が顕著とされたのが10代女性だ。米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が公表したFacebook社内の調査文書によると、10代女性の66%はInstagramの利用によってネガティブな「社会的比較」を体験している。
そのうち52%は美容に関するもの。10代女性の32%は、自らのボディイメージを悪く感じているとき、Instagramがそれを悪化させることを認めていた。
Facebook側はWSJの報道について「誤った評価(mischaracterization)」だと主張。「Instagramは実のところ、良い影響を及ぼしている」と反論した。
内部告発者の女性はTV番組で、Facebookのアルゴリズムが「利用者の反応を得ることに最適化されている」「安全性を高めるとサイトの滞在時間が減り、収益が減少することを理解していた」と指摘。今後も大きな波紋を呼びそうな問題である。