クレジットカードが「カードレス」に
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三井住友カードは、10月4日よりプラスチックカード発行不要の「三井住友カード(CL)」の発行を開始。モバイル端末専用で、プラスチックカードを一切発行しないクレジットカードは国内初となる。
重要な理由: スマホ決済の影響を受け、クレジットカードのあり方も変わりつつある。カードそのものの発行を不要とすれば、紛失などセキュリティ上の問題も解消できる。“脱プラ”の観点からも意義は大きい。
クレジットカードが「カード」からの脱却を試みた背景には、スマホ決済の普及がある。JCBの調査によると、2020年度のスマホ決済の利用率は52%に達した。
すでに存在したのが、スマホに登録して決済する「ナンバーレスカード」。券面にカード番号・有効期限・セキュリティコードが記載されないという異端のと呼ばれるプラスチックカードだ。
ナンバーレスカード(NL)は、三井住友カードやクレディセゾンなどが発行。三井住友カードではリリース5か月で発行枚数が50万枚を超えた。
こうした動きをさらに後押しするのが脱プラの流れだ。2021年4月には、エポスカードが廃棄プラスチックを回収したリサイクル素材を使用したカードを発行。サステナビリティへの意識も高まってきていた。
エポスカードでは、今後自社発行するすべてのエポスカードをリサイクル素材へ切り替えた場合、5年間で最大約90トンのCO₂削減効果を見込んでいるという。カードそのものの発行がなくなれば、さらに効果は増すだろう。
三井住友カード(CL)では、提携カードとして「カードレスLINEクレカ」の提供も始める。