苦労の末、本国で上場へ
Shutterstock
インドの宿泊予約サービス「OYO」を手がけるOravel Stays社がインドで新規上場の申請書類を提出した。2021年3月期の総収益は約623億円と、前年(約2,000億円)から大きく減少している。
重要な理由: OYOはソフトバンクの出資先ベンチャーの中でも注目されてきた。創業者リテシュ・アガルワル氏は1993年生まれで、弱冠27歳。今回の上場でも株を売らないようだ。
現在のOYOは、パトロン(オーナーや運営者)とユーザーをつなぐ双方向プラットフォームだ。パトロンは日々の運営ツールとして利用し、エンドユーザーは宿泊の予約などを行うことができる。
ホテルや施設オーナーとレベニューシェア契約を結び、平均して20〜35%を受け取る。大部分は独占契約だ。新規店舗のうち7割以上が、それまでデジタル販路をもたなかったという。
OYO自身は物件を保有せず、徹底してアセットライトなアプローチをとる。2020年以降、新規出店にともなう資本支出はほとんど生じていないという。宿泊価格の決定もOYO側が担い、AI技術によって最大化する。
扱う店舗数は15.7万件以上(3月末)。インドおよび東南アジアでは最大のホテルチェーンであり、欧州でも2番目に大きい。売上の9割は、これらOYOのコア市場から上げている。
アプリダウンロード数は1億件を超える。リワードプログラム「Wizard」会員数はインドで2019年度に開始し、920万人(3月末時点)。うち210万人が有料会員だ。2021年度には同プログラムをインドネシアやマレーシアでも開始した。