2021年09月29日 15:12
成長市場も楽じゃない
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RPA領域におけるパイオニア企業の一つ「Blue Prism」がVista Equity Partnersによって10億9,500億ポンド(≒1,654億円)で買収される。ロンドン証券取引所の開示資料によって明らかになった。

重要な理由: パソコン作業を自動化するRPA(Robotic Process Automation) は今、最も注目されている領域の一つだ。市場規模は2023年に世界104億ドルに拡大することが予想されている。

Blue Prismは2001年に創業。2016年にロンドン証券取引所「AIM(Alternative Investment Market)」に上場し、自動化の波に乗って大きく売上を拡大させた。

Blue Prism業績

競争が激化する中でアクセルを踏んだが、2020年の売上成長は大幅に鈍化。株価は2018年9月にピークをつけ、その後は半分以下に低迷している。

これに対して今年、年次株主総会では経営陣に対する疑念が高まった。その後、大株主の10名(議決権40%以上に相当)が経営体制の刷新、事業売却の可能性などについて検討するよう提案していた。

2020年のガートナーによる評価で、Blue PrismはUiPathやAutomation Anywhereと並んで「リーダー」企業として位置づけられていた。それでも単独での生き残りが難しいとなれば、今後も再編が進む可能性はある。

Vistaは2014年にデータ分析に特化した「TIBCO」を43億ドルで買収。Blue Prismの買収が成立したら、TIBCOと統合される予定だ。