2021年10月01日 20:38
価格競争力から「商品力」の戦いへ
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10月1日、業界6位のマツモトキヨシHDと業界7位のココカラファインが経営統合し、「マツキヨココカラ&カンパニー」が誕生した。売上規模は一気に業界のトップクラスに躍り出る。

重要な理由: ドラッグストアは規模を拡大し、価格競争力をつけることで他社と差別化してきた。2社の統合は、プライベートブランド(PB)の開発力が今後を左右する象徴となる。

PB商品はNB商品よりも一般的に利益率が高く、独自性も出せる。 PB売上構成比を見ると、業界1位のウエルシアHDは5.6%(2021年2月期)、ツルハHDの2.4%(2021年5月期)に対し、マツモトキヨシHDは12.1%(2021年3月期)と高い。

ドラッグストア業界の売上高

2020年度、ドラッグストア業界に訪れたコロナ特需は、すでに剥落してしまった。業界最大手のウエルシアHDでは、2022年2月期第1四半期で売上高や営業利益は計画値に達しなかった

コスモス薬品やクスリのアオキなど地方の有力なドラッグストアが都心へと出店攻勢をかけており、安売り合戦が激しさを増している。クスリのアオキは食料品の安さが売りだが、最近になってPBに参入した。

都市型で一等地の出店の多いココカラファインで、マツモトキヨシのPB商品を販売すれば、他社との差別化が期待できる。経営統合が発表された2019年8月当時はインバウンド需要がもてはやされていたが、状況は大きく変わった。今後、PBの開発力が勢力図にどう影響するか注目したい。