30年ぶりの株式分割へ
Shutterstock
トヨタ自動車は9月30日時点の株主を対象に、「1株につき5株」の割合で普通株式を分割する。27日の株式市場で、株価は上場来最高値を更新した。
ニュースの着目点: トヨタの株主構成(3月末時点)は、金融機関・証券会社が39.4%。外国法人などが23.8%を占める。個人・その他は11.9%と、最も小さな割合にとどまっている。
トヨタの株価はこの一年で40%以上も高騰し、1万円の大台を超えた。株式分割は1991年以来のこと。これによって最低投資金額を引き下げ、流動性を高める狙いとする。
東証は望ましい投資単位として「5万円以上50万円未満」という水準を明示している。投資単位50万円以上の「値がさ株」は東証全体で近年10%を下回り、100%近かった1990年と比べ大きく改善している。
2015年にトヨタは「AA型種類株式」を発行。中長期株主層の形成を目的に、配当年率が初年度(0.5%)から5年目(2.5%)までにかけて上がる仕組みを打ち出した。
一方では譲渡制限があり、批判が殺到。2020年にはAA株の取得と消却を発表、今年4月までに全株式を消却している。今回の株式分割は、果たして個人株主獲得の一手となるだろうか?