2021年09月17日 07:00
ジョージ・ソロスも警鐘
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中国の不動産開発大手、中国恒大集団(Evergrande Group)。

創業者の許家印氏は1996年に恒大地産集団を創業。コンパクトな部屋からなる集合住宅を手がけ、2004年には広州市最大のデベロッパーに成長した。

2009年に香港市場へ上場すると、一気に売上規模を拡大。2017年には市場からの評価が急上昇、許氏が「アジア一の富豪」として報じられるまでになる。

ところが、栄光は長くは続かない。

中国恒大集団 売上高

間もなく空売り攻勢に合い、株価は急落。サッカークラブやテーマパーク、病院やミネラルウォーター販売まで事業を広げており、負債額の大きさを指摘されてきた。

中でも危険視されたのがEV(電気自動車)の開発だ。財務状況がひっ迫する中で資本の重い、しかも成功確率の高いとは言えない領域に進出したわけである。

2020年にはデフォルトの可能性について、中国当局に「警告」。株式の売却を通じて5.55億ドルを調達したが、当初目標の半分にとどまっていた。

投機家のジョージ・ソロス氏は8月、フィナンシャル・タイムズに寄稿。「中国が20年以上、享受してきた不動産ブームが終わろうとしている」「習氏はマーケットの仕組みを理解していない」などと警鐘を鳴らした。