2021年09月15日 07:15
競争環境の変化と一過性要因
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不動産ベンチャー「GA technologies」の成長が鈍化している。

14日に発表された3Q決算で、5〜7月の売上高は181億円(前年比19%増)、営業損益は3.8億円の赤字だった。

通期の売上予想は据え置き(850億円)、EBITDA(38.8→9.9億円)と営業利益(24.6→△4.9億円)は大幅に引き下げた

理由として挙げたのは、RENOSYマーケットプレイス事業の取引量増大だ。

GA technologies 四半期業績

5月にデジタル改革関連法が成立、競争環境が変化するおそれが高まったことから、大幅に計画を前倒しする必要に「迫られた」という。調達価格が高騰した商品が増加し、マージン(売上総利益)の低い取引が多く発生。

iBuyer事業の減速についても言及。GWや五輪開催に伴い稼働日数が2Qから約2割減少したほか、二つの「一過性要因」を挙げた。

一つは「ストックビジネス強化」への戦略シフト。パッケージプランの変更を実施し、顧客メリットは高まるとするが料金上昇で敬遠が発生。過渡期として契約が遅延するが、一時的な事象であると説明する。

もう一つは「Web商談予約システム」の導入。インサイドセールスが担っていたアポイントメントを自動化するシステムを開発したが、導入初期段階において一時的に成約率が低下したという。

一方で、株式市場は手厳しい。昨年末のピーク水準から株価は半減し、時価総額は686億円。PTS株価も20%以上の値下がりとなっている(前日18時時点)。