人類の努力
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ビル&メリンダ・ゲイツ財団が最新の「Goalkeepers」レポートを発表。パンデミックが世界にもたらした影響の一端を示した。
COVID-19の影響で「極度の貧困」に陥ったのは3,100万人。2021年、女性の雇用は世界全体で2019年より1,300万人少ない水準にとどまる見込みだ。男性は、年内に概ねコロナ前の水準を取り戻すという。
国ごとの格差も大きい。先進国の90%では来年までに一人当たりの所得がコロナ前に回復する見込みだが、所得水準が中〜低水準の国では3分の1にとどまる。今のままでは、2030年になっても7億人近くが極度の貧困を抜け出せないという。
教育格差にも拍車がかかる。国同士はもちろん先進国内にも懸念があり、例えば米国の小学三年生では黒人やラテン系住民の学習機会の逸失は、白人やアジア系と比べ二倍も大きい。
COVID-19ワクチン自体の供給にも偏りがある。カリフォルニア州は人口3,950万人に対し4,200万本。アフリカ全土では13億人の人口があるが、4,800万本しか登録されていない。
通常の子供向けワクチン接種率は7%下がり、2005年の水準まで後退。もっとも、1年前にIHMEが推定した「14%減」よりも大幅にましな結果だ。これは幸運などではなく、人々が懸命に努力した結果だと指摘している。