2021年09月10日 07:00
あくまでも「目標」
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トヨタ自動車は先日、EV用車載電池の開発に1.5兆円を投じることを発表した。EVシフトの波に飲まれるのは、勿論トヨタだけではない。

ゼネラルモーターズ(GM)は2035年までに内燃機関車の販売を止める宣言をしている。2025年までには新たに30以上のEV車種を発表するつもりだ。

トヨタがハイブリッド車に注力したのには明確な理由がある。内燃機関車の技術を使えるし、大きなボトルネックである「電池」生産を最小限に、環境効果を最大化できた。

米国最大の自動車メーカーであるGMが、全てを捨ててEVに賭けるのは「無謀」とする向きも少なくない。

GM側も無策ではない。既存品と比べ60%近くコストを削減できる「Ultium」バッテリー(第2世代)の開発をLG化学とともに進める。EVおよび自動運転車に投じる金額は2025年までに350億ドルにのぼる。

2020年、GMの世界シェアは8.7%。2035年時点で一般乗用車のEV化率は31.6〜45%と予想されている。EVだけを販売するならば、市場の大きさを自ら狭めることになる。

GMはEVへの完全転換を「あくまで目標」であり、約束ではないとしている。消費者がどれだけついてくるか、どのくらいの速度で世界が変化するかによって、大手メーカーの明暗も分かれそうだ。