爆発的な追い風、そして...?
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コロナ禍の逆風を、二つの追い風で跳ねのけた企業がある。新潟県燕市の家電メーカー「ツインバード工業」だ。
1962年に創業した同社は、業務用から白物まで幅広い家電を製造。コロナ禍ではホテルや病院向けなど業務用家電の需要は低迷。2020年度の冷蔵庫・洗濯機は前年度比7%減収だった。
一方では廉価な調理家電も取り扱い、コーヒーメーカーなどの巣ごもり需要をオンラインで取り込んだ。2020年度の調理家電の売上は前年度比8%の拡大。
猛烈な追い風となったのが、スターリング・クーラー(SC)の販売だ。ヘリウムガスを使用した冷却システムで、ツインバードは2002年に量産化に成功。
このSCは、新型コロナワクチンの保管に欠かせない。需要を察知して2020年内に増産体制を確立すると、累計1万台の受注を受けた。5000台は同年度内に出荷完了、SC売上は前年比389%増の15.5億円に。
そして今年3〜5月、売上高は前年比70%もの伸長。武田薬品向けの大型出荷が完了し、SC売上は3か月で11億円に拡大した。
この好機を生かすべく、3月には博報堂とのパートナーシップを締結。ブランディングやD2C事業の体制構築を視野に、今年秋に記者発表などを通じて報告する計画だ。