いくつもの逆風
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激安ショッピングアプリ「Wish」の凋落が止まらない。
8月9日から16日までにかけ、株価は約34%下落。ピーク時からは80%近くもその値を下げた。時価総額は現在43億ドルほど。
2021年4〜6月期、主力のマーケットプレイス売上は前年比32%の減少。成長の柱としてきた物流ソリューション売上も、前四半期比で減少した。

何より投資家を怯えさせるのが、ユーザー数の減少だ。MAUは9,000万人(前年比22%減)、直近12ヶ月の購入者は5,200万人(同26%減)と低迷。
背景として「いくつもの逆風」があると説明。巣ごもりの追い風が弱まり、Wishが主力とする米国、フランス、イタリアで購入者が予想以上に減少。
iOSアップデートによる広告市況の変化にも触れた。Wishは主にAndroid向けのマーケティングに注力してきたが、iOSから広告予算が流れ、競争が激化したという。
Wishはユーザー獲得をデジタル広告に依存しており、売上の60%をセールス・マーケティング費にあてている。マーケットプレイスモデルだが売上原価率は41%にのぼり、この二つだけでも赤字だ。
キャッシュポジションは足元で16億ドルあり、「長期的な」成長のために費やす。3か月の営業キャッシュフローは2億ドルのマイナスだった。