波乱の一年が数値化
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経済産業省は7月30日、「電子商取引に関する市場調査」の2020年版を発表。コロナ禍で急変したEC市場の全体像が明らかになった。
日本のBtoC-EC市場規模(2020年)は19兆2,779億円(前年比0.43%減)。全体としてはほぼ横ばいだが、その中身は前年と大きく異なる。
同調査では、BtoC-EC市場を物販系、サービス系、デジタル系の大きく三つに分類する。物販系は前年比22%増と大きく加速したが、サービス系が同36%減と逆風にあえいだ。
「サービス系」減少の要因は、他でもない旅行サービスだ。サービス系では最も市場規模が大きかったが、前年比60%減の1兆5,494億円となった。チケット販売も1,922億円(前年比66%減)と打撃が大きい。
「物販系」で特に伸びたのは書籍、映像・音楽ソフト。前年比43%増の1兆6,238億円にふくらんだ。『鬼滅の刃』のヒットが市場を押し上げたほか、学校の一斉休校で参考書や児童書が伸び、ステイホームで書籍全般の需要が大きく拡大した。
日本の物販系EC化率は8.08%と前年より1.32ポイント上昇。市場規模は2013年以来、7年で約2倍に拡大したことになる。