電子書籍が増益牽引
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KADOKAWAグループが好調だ。2021年4〜6月期の売上高は520億円(前年比11%増)、営業利益は58.7億円(同64%増)と大幅増益を果たした。
中核の出版セグメントは前年比151%もの増益を果たし、営業利益53.9億円。売上高は321億円(同9.8%増)だった。
紙書籍は9.6%の増収にとどまったが、電子書籍の売上高が19.6%もの増加。市場の成長に加え、他社ストアでのキャンペーンもあり高成長を果たした。
電子書籍の販売が伸びたことで収益性も改善。権利許諾収入が寄与したほか、書店に導入している独自システムにより、紙書籍の返品率も30.8%に改善した(前年同期:33.1%)。
映像セグメントも前年の2.6億円赤字から10.4億円黒字へと大幅改善。収益性の高いアニメ事業が売上二桁増となり、人気シリーズなどでの権利許諾収入も引き続き貢献した。
『ニコニコ(niconico)』を展開するWebサービスセグメントではプレミアム会員が減少したが、有料生放送やギフティング、広告など課金機会の拡大により増収増益を果たした。
教育事業の成長が続き(+29.6%)、「その他」セグメント売上も54.6億円(前年比25%増)に伸長。IP体験施設を運営する「コトビジネス」が苦戦し、教育事業への先行投資もあって赤字基調はつづく。
KADOKAWAは7月1日より夏野剛氏が代表取締役に就任。注目を集める中で「ABEMA Prime」での発言が問題視され、役員報酬の20%減額(3か月間)を発表した。