投資リターン、約100倍
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エムスリーは28日、2021年4〜6月期決算を発表。売上高は前年比31%増の464億円、営業利益は同119%増の247億円となった。
もっとも、営業利益のうち91億円は中国子会社のIPOによるもの。この影響を除くと前年比38%の増益だった。
2013年に設立された「Medlive」にエムスリーは12億円を出資、50%を握っていた。持分はIPO当日終値時点で1,200億円に膨らんだ。上場に伴い株式を売却し、支配権を喪失。7〜9月期にも約220億円を営業利益に計上する見込み。

主軸の「メディカルプラットフォーム」事業は前年比39%の増収。うち製薬マーケティング支援は50%以上の拡大だった。需要に対応するために体制を強化し、利益率は一時的に低下。
医療機関の運営を支援する「サイトソリューション」も好調だ。登録医師が質問に答える「AskDoctors」や共同事業「LINEヘルスケア」を展開。自治体・職域のワクチン接種支援業務も拡大し、投資を実行しつつも大幅増益を果たした。
アピールしたのは、m3.comのプラットフォーム力の強化だ。医師会員数は前年比9%増となった一方、ログイン日数や滞在時間がそれ以上に拡大。医師サイドの「DX」も進行し、医師当たりの収益貢献は前年比2.5倍となった。