2021年07月27日 07:00
クラウド上の「本社」
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Shutterstock

米Salesforceが21日、チームコミュニケーションツール「Slack」の買収を完了した。

マーク・ベニオフ(Salesforce CEO)は「未来のエンタープライズソフトウェアをともに定義していく」とコメント。「あらゆる組織がどこからでも顧客と従業員の成功を実現できるデジタル本社を作り上げる」と付け加えた。

曰く「今後の世の中で『本社』はマディソン通りやメインストリートには存在しない」。本社が存在すべきは「クラウド上」であり、どんな産業のどんな企業もデジタルファーストな体制を構築する必要があるとする。

SalesforceはCRMツールとして業界トップの座を確立した。顧客をあらゆる視点から把握できるようにする「Customer 360」を標榜してきたが、今後はこれを「Slackファースト」で実現することを目指す。

それはすなわち、顧客や従業員、協業先やアプリなど、ビジネスに関する情報を一元化できるプラットフォームだ。

277億ドルもの買収を先導したのは、COOのブレット・テイラー。元はクラウド上で動作するスプレッドシート等を提供する「Quip」創業者だったが、今ではベニオフの右腕、有力な後継者候補となった。

Slack買収後の進捗は、テイラー自身の去就も大きく左右するだろう。振り返れば、Microsoftの牙城を崩すための挑戦を続けてきたのが彼だ。今後の進捗に注目したい。