優しすぎる?
Shutterstock
中国のインターネット企業「Tencent」の音楽事業に対し、中国当局が音楽レーベルとの独占契約を放棄するよう命じた。
規制当局のSAMRはあわせて50万元(≒850万円)の罰金も課した。Kuwo(酷我音乐)やKugou(酷狗音乐)を買収したことに対してだ。
4月頃、SAMRは少なくとも100億元(≒1,700億円)を課すよう進めていると報じられたが、その後Tencentはロビイングにいそしんだようだ。KuwoやKugouを売却しろという命令も免れた。
これらの罰則は、Tencentという企業の大きさを考えれば微々たるものに過ぎない。競合サービスの買収は、明らかに市場の競争を阻害したという指摘もある。
市場環境の違い
7月10日、SAMRはゲーム配信サイトの「Huya」「DouYu」の合併を阻止することを決定。TencentはHuyaの最大株主で、DouYuの大株主でもある。どちらも上場企業で、市場からの注目を集めてきた。
ゲーム市場において、Tencentはすでに40%以上のシェアを握る。合わせて7割超もの市場シェアを握るゲーム配信サービスを統合すれば、確かに明らかな独占だ。
一方の音楽関連サービスでは、TikTokの中国本土版「Douyin」が存在感を強める。Tencent Musicと収益モデルは異なるが、アーティスト作品の流通プラットフォームという面があるのは同じ。Tencentのコア事業「微信」を含め、長期的には競合する部分が大きい。