世界一のEV電池メーカー
Shutterstock
中国の車載電池メーカー「CATL(寧徳時代新能源科技)」の株価が高騰している。時価総額では1.27兆元(≒22兆円)にのぼり、この一年で2.5倍に上昇した。
創業者の曾毓群会長は世界の富豪ランキングでジャック・マー(アリババ創業者)氏を追い抜き、500億ドル近い金額になった。PER(株価収益率)は200倍に迫る勢いだ。
CATLのルーツは1999年。消費者家電向けリチウムイオン電池を扱う「ATL」を設立した。創業メンバーは、日本企業「TDK」の上釜会長が中国に駐在していたときの部下たちだったという話もある。

ATLは2005年にTDKが買収。その車載電池部門がスピンアウトする形で2011年に「CATL」が設立。翌年にはBMWと提携すると、EV(電気自動車)向けバッテリーサプライヤーとしての地位を早くも確立した。
2017年にはEV向けバッテリーの供給で世界一のポジションを獲得。翌年には深セン証券取引所に上場し、EV産業の高成長とともに市場からの期待を一身に集めてきた。
6月28日にはTeslaへの供給契約について2025年末まで延長したことも明らかになり、株価をさらに押し上げた。パナソニックやサムスンなど競争は熾烈だ。今後も成長を続けられるか注視したい。