中小かつバーティカル
Shutterstock
ナスダックへの新規上場を果たした米国企業「EverCommerce」。業界特化型のいわゆる「バーティカル」SaaSを展開する。
対象とするカテゴリは大きく三つ。ホームサービス向けの『EverPro』、医療従事者向け『EverHealth』、フィットネス・ウェルネス向け『EverWell』を提供している。
総顧客数は50万を超え、ホームサービスが24万超。医療業界が7.2万以上、フィットネス系が4.6万以上を占めている。そのほかにも非営利組織、獣医、会計事務所など多様な事業者が利用する。

中核の収益モデルはSaaSとしての定期課金および決済手数料だ。広告キャンペーンの管理ソリューションも展開し、売上高の24%を占めるまで成長した。
設立は2016年だが、ルーツは2006年に遡る。創業者CEOのエリック・リマー(Eric Remer)は中小のサービス事業者の請求業務や事業成長を支援してきた。
「中小かつバーティカル」に特化していることが最大の特徴。細やかな需要に寄り添ったソリューションを展開することで、いわゆる汎用型のSaaSにはカバーできない提供価値を実現している。
従業員500人以下の中小企業は、2020年時点で世界に4億社あると試算され、そのうち3,100万社が北米にある。EverCommerceにとっての市場機会(TAM)は現時点で1.3兆ドル規模。うち5,200億ドルが北米だという。