2021年07月12日 07:00
1,130万人分のDNA
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遺伝子検査サービスの「23andMe」がSPAC(特別買収目的会社)との統合を通じてナスダックへの新規上場を果たした。

現在もCEOを務めるアン・ウォイッキ(Anne Wojcicki)らが2006年に創業。Googleの共同創業者セルゲイ・ブリンの元妻としても知られる。

23andMeは事実上、個人向け遺伝子検査キットのパイオニアだ。唾液のサンプルから遺伝子情報を採取し、病気の羅漢リスクを統計的に教えてくれる。

23andMe

2021年現在、遺伝子情報を採取した顧客数は累計1,130万人「DNA」は究極の個人情報だ。遺伝子検査はあくまで入り口に過ぎず、さまざまな活用余地がある。

真に狙うのは「ヘルスケア産業の革新」だ。ユーザーの許諾をとってDNAを研究に活用、新薬開発や消費者向け製品の創出に生かす。2020年末までの9か月間では売上の23%が研究活用によるものだった。

ユーザーの「先祖組成」を分析したりといったコンテンツも提供。利用者からDNA上の「親戚」を探したり、好みのアイスの味を当てたりといった面白体験も扱う。

先に見据えるのは、遺伝子情報を基にした「パーソナライズ・ヘルスケア」の実現だ。2019年度の売上高は4.4億ドルあったが、今期予想は2.4〜2.47億ドル。今後数年は収益化を優先する計画となっている。